A5052とA5083の特性比較|強度・耐食性・加工性の選定ポイント完全ガイド

アルミニウム合金の中でもA5052A5083は構造材や海洋用途で広く利用される代表的な材質です。両者は見た目が似ているものの、強度・耐食性・加工性・溶接性に明確な差があり、用途を誤ると設計トラブルやコスト増につながります。本記事では、A5052とA5083の特性比較を徹底解説し、設計・購買担当者が即座に判断できる実務基準まで落とし込んで解説しています。

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目次

A5052とA5083の基本的な分類と成分差

A5052はAl-Mg系合金で、Mg含有量は約2.5%です。一方、A5083はAl-Mg系高Mg合金で、Mg含有量は約4.5%と高く、強度と耐海水性に優れます。この成分差が引張強さ・耐力・耐食性・加工性に直結します。規格情報はJISで解説されています。

項目 A5052 A5083
系統 Al-Mg系 Al-Mg系高Mg
Mg含有量 約2.5% 約4.5%
代表用途 筐体・フレーム 船舶・海洋構造材

機械的特性の比較

A5083はA5052に比べ高強度で、引張強さ・耐力ともに優れています。荷重のかかる構造部品や船舶構造材にはA5083が推奨されます。具体的な材質選定の基準はアルミ材料選定に関して解説で詳しく紹介しています。

材質 引張強さ(MPa) 耐力(MPa)
A5052-H34 約230〜260 約160
A5083-H116 約275〜315 約145〜240

耐食性の比較|海水環境での差

  • A5052:耐海水性は高いがMg含有量が低く、長期海洋用途ではA5083に劣る
  • A5083:高Mg含有により耐海水性・耐塩害性が極めて高い

海洋構造物や港湾設備への適用は、耐食性評価に基づきA5083が一般的です。

加工性の違い|切削・曲げ・プレス成形

  • A5052:割れにくく寸法安定性が高く、精密部品の切削に適する
  • A5083:強度が高いため曲げ加工は硬く、深絞りや精密加工にはA5052の方が扱いやすい

加工特性の選定ポイントはアルミ切削加工の注意点に関して解説で詳しく解説しています。

溶接性の比較

  • A5052:溶接後も強度低下が小さく、構造用溶接に適する
  • A5083:高強度で耐海水性に優れるが、溶接後の耐力低下が大きく、設計での安全率確保が必須

用途別の材質選定早見表

用途 適材 理由
筐体・フレーム A5052 加工性と寸法安定性に優れる
船舶構造材 A5083 耐海水性と高強度が必要
港湾設備 A5083 長期耐食性が求められる

コストとトータル評価

  • 材料単価はA5052<A5083だが、長期耐久や加工費を考慮した総合評価が重要
  • 耐久性や再製作回避を重視する場合はA5083が選択される

よくある質問


A5052は加工性と寸法安定性に優れ、軽負荷の筐体やフレームに適しています。一方A5083は高強度・耐海水性が高く、船舶や港湾設備など海洋構造材に最適です。

A5083は高強度で耐海水性が優れますが、溶接後は耐力が大きく低下するため、安全率を考慮した設計が必須です。

A5052は割れにくく寸法安定性が高いため、精密切削や深絞り加工に適しています。A5083は高強度のため曲げ加工が硬く、形状保持が必要な部品には不向きです。

まとめ|A5052とA5083を用途に応じて選ぶ

  • A5052は加工性と寸法安定性に優れ、構造軽負荷部品に適する
  • A5083は高強度・耐海水性が極めて高く、船舶・海洋構造物向け
  • 強度や耐食性が重要な場合は原則A5083、加工性重視ならA5052を選定

アルミニウム合金A5052とA5083の特性比較を理解することは、安全性・耐久性・コスト最適化に直結します。用途・環境・加工条件を数値で評価した上で材料を決定することが、失敗しないアルミ設計の基本です。

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