A1050とは？アルミニウム合金のその強度、比重、ヤング率、硬度を徹底解説

2025年4月23日

アルミニウム合金の世界には、さまざまな種類が存在し、それぞれに特有の特性があります。その中でも、A1050は非常に注目される素材です。「A1050って何？」「その強度や比重、ヤング率、硬度はどのくらい？」といった疑問を持つ方も多いことでしょう。特に、軽量でありながら高い耐食性を持つこの合金は、さまざまな産業で幅広く利用されています。

このガイドでは、A1050の基本的な特性について詳しく掘り下げていきます。A1050の強度はどのようなものか、比重はどうなのか、そしてヤング率や硬度の測定方法についても詳しく解説します。さらに、この合金がどのように実際の製品に応用されているかも紹介することで、あなたの理解を深めていきます。

もしあなたがA1050についての知識を深めたい、またはこの素材を使った製品開発を考えているのなら、ぜひこの記事を最後までご覧ください。あなたの疑問を解消し、A1050の魅力をしっかりとお伝えいたします。

金属加工にお悩みの企業様へ

金属加工にお悩みの方は是非「アルミフライス加工製作所」へご依頼ください。

スタッフが丁寧にご案内いたします。

お問い合わせはこちら

1. A1050とは　強度　比重　ヤング率　硬度の概要

1-1. A1050の基本情報

A1050は、純度99.5%以上のアルミニウムを主成分とする合金で、非常に高い耐食性を持つことが特徴です。主に、電気的な導電性が求められる機器や、加工が容易であるため多くの産業分野で使用されています。A1050は、腐食や酸化に強く、長期間の使用が可能です。代表的な用途には、電気機器、冷却器、外装部品などがあります。

1-2. A1050の化学成分

A1050の主な化学成分は以下の通りです：

アルミニウム（Al）: 99.5%以上
シリコン（Si）: 最大0.25%
鉄（Fe）: 最大0.4%
銅（Cu）: 最大0.05%
マンガン（Mn）: 最大0.05%
マグネシウム（Mg）: 最大0.05%
亜鉛（Zn）: 最大0.1%

この高純度のアルミニウム合金は、軽量で耐食性が高いだけでなく、加工性にも優れているため、さまざまな産業で利用されています。

2. A1050とは　強度　比重　ヤング率　硬度の機械的性質

2-1. A1050の強度について

A1050は非常に軽量で加工性に優れていますが、強度自体は他のアルミ合金（例えば、A5052やA7075）に比べると低いです。引張強度は約70 MPa程度で、アルミニウム合金の中では低めですが、耐食性と加工性が求められる用途には最適です。

引張強度: 70 MPa
耐力: 約35 MPa
伸び: 40%以上（高い延性）

これにより、軽量でありながらも十分な強度を確保できます。

2-2. A1050の硬度の特性

A1050の硬度は、アルミニウム合金の中では比較的低い部類に入ります。硬度は主にアルミニウムの純度に影響を受け、A1050の場合は以下のような値になります。

ビッカース硬度（HV）: 約30〜40

そのため、A1050は加工が容易であり、細かな形状や複雑なデザインが必要な部品に適しています。

2-3. A1050のヤング率とその影響

A1050のヤング率は、アルミニウム合金全般に共通しており、比較的低い値を示します。ヤング率は材料の弾性を示す指標で、以下の値が代表的です。

ヤング率（E）: 約70 GPa

これは、A1050が伸びやすい材料であることを示しています。構造物において高い弾性が必要な場合、他の高強度合金を選択することが推奨されますが、柔軟な設計や加工性が求められる場合にA1050は有効です。

3. A1050とは　強度　比重　ヤング率　硬度と他の材料の比較

3-1. A1050と他のアルミニウム合金の強度比較

A1050の強度はアルミニウム合金の中で低めですが、その分、軽量性や耐食性に優れています。以下は他の代表的なアルミニウム合金との強度比較です。

A1050: 引張強度 70 MPa
A5052: 引張強度 210 MPa（A1050の約3倍の強度）
A7075: 引張強度 570 MPa（A1050の約8倍の強度）

A1050は耐食性や加工性を重視する場面で選ばれることが多いですが、強度が必要な用途ではA5052やA7075など、高強度の合金が選ばれます。

3-2. A1050の硬度と他材料の硬度の違い

A1050の硬度はアルミニウム合金の中で低い部類に入りますが、他の材料との比較でどうかを見てみましょう。

A1050: ビッカース硬度約30〜40
鋼（鋼鉄）: ビッカース硬度約120〜200
ステンレス鋼: ビッカース硬度約150〜200

鋼やステンレス鋼と比較すると、A1050の硬度はかなり低いですが、その代わりに加工のしやすさや耐食性が優れています。鋼やステンレス鋼は、強度や硬度が求められる用途に適しており、A1050は主に軽量化と耐腐食性が重要な用途で使用されます。

4. A1050の耐食性について

4-1. A1050の耐食性のメカニズム

A1050は非常に優れた耐食性を持つアルミニウム合金で、主にその高い純度によって耐食性が確保されています。アルミニウムは空気中で酸化膜を形成し、この酸化膜が保護層として機能し、さらに腐食を防ぎます。A1050の主成分はほぼ純粋なアルミニウムであるため、腐食環境でも安定した性能を発揮します。特に、湿度の高い環境や塩水に対して強い耐性を示します。

この酸化膜は、時間が経過することでさらに強固になり、アルミニウム合金が長期間にわたり腐食から保護される要因となります。これにより、A1050は海洋環境や化学的に過酷な条件下でも使用可能です。

4-2. A1050の耐食性を向上させる方法

A1050の耐食性をさらに向上させるために取られる方法は以下の通りです：

表面処理: 硬化処理や陽極酸化（アノダイズ）などの表面処理を施すことで、酸化膜をさらに強化し、耐食性を高めることができます。陽極酸化により、表面がより厚い酸化膜で覆われ、耐食性が飛躍的に向上します。
合金成分の微調整: 他の元素（例えばシリコンやマグネシウム）を添加することで、耐食性を高めることができます。これにより、A1050の耐腐食性がさらに強化される場合があります。
保護コーティング: 特に過酷な環境で使用する場合には、A1050に防食コーティング（例えば、エポキシ樹脂やポリエステル）を施すことで、外部の腐食因子から保護することが可能です。